【第8号】 洗礼を浴びる・・ |
■今月20日に「小さな飲食店 成功のバイブル」は発売になります。
タイトルは「小さな飲食店」とありますが
ぜんぜん小さな飲食店の話ではありません。
今日は、その中から、飲食店経営者の方以外でも
参考になると思われる1節を先行してご紹介します。
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■ここから本題です・・
私が、25歳で、赤字会社を父親かた託された当時
その会社は債務超過スレスレの状態でした。
そんな状況ですので、当時の私は
決して意気揚々と経営していたわけではなく
内心ヒヤヒヤの状態で、毎日を過ごしていました。
当時は、居酒屋2店舗と惣菜店1店舗の3店舗の会社でした。
惣菜店は大赤字を垂れ流し続けており
これが経営の足を引っ張っていましたが
幸いなことに居酒屋事業は好調でした。
それならば、惣菜店をリストラによって黒字化し
収益力のある居酒屋事業を伸ばせばいいと私は考え
すぐに居酒屋の3号店を出店しました。
その3号店は、すぐ軌道に乗り、1年で余裕のV字回復を果たしました。
その後、しばらくして新規物件の話が2件、舞い込んだため
矢継ぎ早に2店舗同時にオープンをさせることにしました。
私が26歳のときの出来事であります。
■そんなとき、大きな問題に直面してしまいました。
店長・社員が次々に会社を辞めると言い出したのです。
社員の大量流出が起こることは、ただでさえ
人手不足の会社にとっては、会社の存続をかけるほどの死活問題です。
それにしても、なぜ、そのような問題が起こったのか?
その理由は、私が会社の利益のことしか考えていないため
これ以上ついていけないといったものでした。
もしかしたら、日ごろ厳しく接した事への報復だったのかもしれません。
赤字会社を立て直さなくてはならないというプレッシャーから
従業員のことなど何も考えず、会社の利益を追い続けるがために
孤立しまくっていたわけです。
出店契約が決まり、後戻りができない状況の中で
賃上げ交渉や必要のない手当てを要求されたことは言うまでもありません。
■3店舗程度であれば、自分が現場を駆けずり回ることで
なんとか経営は回っていきます。
しかしさすがに5店舗は無理です。
自分ひとりではなく、ともに経営をするパートナーが社内に
何人か存在しないと、5店舗以上の運営は不可能でしょう。
この規模から、現場あがりの居酒屋店主から
本物の経営者に成長していかなければならないことを痛感しました。
ここで、生意気だとは思いますが非常に重要なことを指摘したいと思います。
このように、従業員が一斉に辞めると言い出したり
賃上げ交渉をされるなど、一見問題は他人が起こしているように見えます。
しかし、他人が起こす問題の解決を、他人のせいにし
他人を変えることで解決しようとしているうちは、
一生、問題の解決はできないと思います。
この世の中で起きる問題は、一見すべてが自分の外で起きているのですが
その解決は自分の心の中でしか図ることはできないようになっていると思います。
すなわち、問題に対する自分自身の考え方や捉え方を変えることでしか
その解決を図ることはできないのではないでしょうか?
■「出店を控えた大事な時期に、何を言っているんだ!!」
と目くじらを立てて、怒鳴り散らしても、
問題は大きくなるばかりですよね?
そうではなく
「この時期にこのような問題が起こることで
自分はいったい何を学べばよいのだろうか?」と、
自分自身に問いかける必要があるように思います。
自分の中の何かが間違っているから、問題が起き
それを自分以外の人間が自分に教えているというのが
真実のように思えて仕方がありません。
そして、問題に対する自分自身の捉え方が正しく変わったときに、
問題は自然消滅的に消えていくのだと思っています。
非常に非論理的な話だと思われるかもしれませんが
これは間違いのない事実だと思います。
■例えば、当時の私は
従業員が会社のために働くことは当たり前だと思っていました。
給料をもらっている以上、働いてあたり前だと本気で思っていました。
時間になると店にいるのは当たり前
オープンの時間になって店が開くのは当たり前
お客さんに最高のサービスをする努力をすることは当たり前
・・・という具合に。
もちろん、今でも給料をもらっている以上
店にいることくらいは当たり前だとは思います。
■しかし、従業員が働いていることに対して
「感謝」することは本当に大切なことだと思います。
従業員が次々に会社を去り、店が開かなくなるという状況を
目の前に突きつけられることで、店を支える従業員がいなければ
通常の営業すらできないことを私は強制的に学んだわけです。
非常に長くなってしまいましたので
続きは近日中にお送りさせていただきます。
いつも最後まで、お読みいただきまして、本当にありがとうございます。
役に立つ情報の提供に努めますので
このまま受け取っていただけると助かります。
続きは次回お届けします。
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■追伸
惣菜店の黒字化をどのように図ったのかということも
今後、お話していきますね・・
天外伺朗氏の「マネジメント革命」(講談社)を読みました。
まれに見る良書ですので、ぜひお勧めします。
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