【第280号】 レストラン経営論 |
こんにちは、鬼頭です。
またもや週末ですね。
本日は、最近、抱いているレストランの経営論について
語りたいと思います。
飲食の方に限らず、経営者さんであれば、
なんらかのヒントになると思うのですが、
とりわけ飲食業の方は、本気で読んでもらいたいと思います。
今回のメルマガ、マジで有料級です(笑)
最近、フレンチのレストランを開業させ
2ツ星を取りたいと真剣に考え始めました。
今後の展開のブランディングの一環なのですが、
早速、レストラン事業について考えてみました。
高級レストランのコスト構造は、
普通の飲食店となんら変わらず、
運営が楽になる(利益が出て資金が)のは、
月商300万円を超えてから。
しかし、月商300万円を超えてからの利益の伸び率は
高級レストランのほうが、人件費を抑制できるので高いです。
客単価が高い分、生産性が高いのですね。
どこまでいっても、売り上げをあげないと
事業は楽にはなりません。
そこで、これからのレストラン経営に、
何が必要かを考えてみました。
まず、消費者は、
日常的な飲食と、非日常の飲食を
かなり明確に分けていくと考えられます。
それが今後、より一層、明確になっていく。
すなわち、非日常の飲食は、
まさしく非日常性を極めていく。
これは、コンセプトレストラン化する
というわけではありません。
そうではなく、レストランでの食事が
美術館とか舞台を見に行く感覚に似てくると
考えているのです。
すなわち、芸術というか職人芸を楽しむための場として
機能していく(無意識に)のではないかと。
だから、メニューを作る際には、
車でいうと、フェラーリとかポルシェ
みたいな発想が必要になります。
ベンツなんかは、マーケット調査をし、
「この層が、いくらでこういった車を買ってくれるだろう・・・」
みたいな、発想で車をつくっていくのですが、
フェラーリもポルシェも、マーケットインの発想は
まったくありません。
自分たちが求めるもの、
自分たちが作りたいものを作った結果、
車1台の原価がこのくらいだから、この値段で売りましょう、
みたいな発想ね。
極めて感性豊な発想で作られた商品だから
熱烈なファンがつくのです。
フェラーリなんて、車じゃなくて芸術作品だよね。
レストランもそんな感じ。
お客さんの求めるものを予測して作るのではなく
自分の作りたいものを作り、
そのクオリティが素晴らしいから、ファンがついてくる、
という感覚が必要なのだと思う。
20世紀を代表する画家であるピカソは
死んだとき、7500億円の遺産があったという。
しかも、死後まもなくして、その資産価値は
数倍に跳ね上がったとか。
ピカソは、画家としての才能だけでなく
ビジネスの才能にも、相当、長けていたのですが、
彼は新しい作品を描くと、
画商を60人ほど集めて、作品の発表会を
やっていたといいます。
その発表会で、ピカソは、その作品を描くにあたった
背景を延々と語ったという。
すなわち、その作品の背景にある、
物語を、熱をもって語ったのであります。
結果、絵の価格は暴騰していく。
名古屋に、トゥラジョアというレストランがあります。
名古屋で最も予約が取れないレストランのひとつです。
正直、調理のレベルはそれほど高いわけではないです。
にもかかわらず、1年分の予約が1日で埋まるのは
シェフが、ピカソと同じように、
その料理を作りだした物語(背景・理由)を
一皿ごとに極めて丁寧に語るからです。
私も、いちど、連れて行ってもらいましたが、
このシェフ、本当に良くしゃべる(笑)
しかし、説明を聞いてから食べると、
何十倍も高い価値を感じるものです。
というか、単純に楽しい。
トゥラジョアには、レオナール藤田など数々の絵画が
飾られているところから、
きっと彼は、ピカソが、絵を高く売るために使っていた
手法を良く知っていて、
意図的に物語を語っているのではないかと思われます。
すなわち、料理そのものよりも「物語」により大きな価値が
あることを知っていたのではないか、と思うのです。
人間には、ひとりひとりに宇宙があります。
肉体という物質の背後には、大きな情報世界が広がっていますが、
料理も同じですね。
皿に乗って出てくる料理の背後には、
生産者さんの思いから始まり
どこで、どのようにして育てられた食材なのか?
料理人の思いとして、
なぜその食材を、このように調理しようと考えたのか?
料理人としてのルーツはどこなのか?
という、ひとつの物語というか、大きな情報空間が
一皿ごとに存在している。
皿の上の料理という、小さな物質の背後には
大きな情報世界が存在しているのです。
それを、きちんと説明し理解してもらうことで
その価値は、何十倍にも上がっていくのです。
マーケットは、ピラミッド上に形成され、
流行は、ピラミッドの上から下に向かって流れます。
俺のフレンチの大流行は、
一部の人にしか食べることのできなかった星付の料理が、
一般の人たちでも、気軽に食べられるようになったことで
実現いたしました。
ですから、皆さんのお店でも、料理に込められた
物語をいまから語るといいですよ。
口コミによる集客と、客単価アップの両面で
極めて大きな成果をもたらしてくれると思います。
今日はここまで。
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